闇に蠢くのは闇の住人。
闇に巣食う者達は何が為に闘うのか、
何が為に手を汚すのか。
月明かりのみに照らされた夜の闇、
少年が一人、独り走り抜けていた。
少年は足を止め、木々に身を潜める。
狐面で隠された少年の眼差しの先には、不穏な空気を身に纏う男達の姿があった。
男達の額には、一文字線が引かれた額宛。
男達―――抜け忍は夜明けと共に自分達を裏切った里に復讐する鋭気を養う、最後の宴をしていた。
裏切ったのは里?
男達は知らない。
その宴が最期の宴となることを―――。
「憎き木ノ葉に滅びを!我等復讐者に祝福を!!!」
リーダーらしき男が杯を持ち上げ宣言すると、男達はそれぞれの杯と天高く上げ雄叫びを上げた。
轟く雄叫びの数から、その男達の意気込みと仲間の多さが伺える。
その様子を見て、少年は小さく哂った。
・・・この程度で、木ノ葉を堕とすなんて―――、
「―――――1千年早ぇよ、馬鹿供が。」
―――里を裏切った馬鹿供に、死の判決を。
少年はそう吐き捨てると、術を発動させた。
途端にパニックに陥る男達の中を、少年はクナイ片手に駆け抜ける。
その度に空を舞うは醜い首と紅い血飛沫、
返り血を浴びながら少年は舞い踊るかのように男達を一掃する。
その妖美な姿に魅入られ、気が付けば首と体がさようなら。
命尽きるその刹那、眼に焼きついた孤高の存在。
「化け物・・・!」
ラスト一人が地に伏せ、少年は肉片となった人だった物を見下ろした。
狐面の下、少年はどんな顔をしているのだろうか?
「・・・そんなこと、俺が一番良く知ってるよ。」
自嘲気味に呟かれた言葉、風に掻き消され闇の中へと消えた。
少年は小さく「浄炎。」と唱えた。
辺りは青い青い炎に包まれ、全てを喰い尽くす。
少年は炎に照らされながら、血に染まった自らの手を見つけた。
血塗れ、幾多の命を奪う小さな手。
今にも壊れてしまいそうな、儚く細い小さな手。
―――それでも、
少年はその小さい手でひたすら罪を贖う。
しかし、少年は罪が消える等とは思っていない。
罪を贖う為、
幾重に罪を重ねる。
嗚呼、矛盾。
否、少年には罪などない。
罪などないのだ。
祝福され生まれてくる筈だった命、
忌み嫌われ、蔑まれてきた小さな命。
なのに、
少年は贖い続ける。
全ての罪を被って――――。
狐面の下、澄んだ雫が一つ、落ちた。
矛盾したこの世界で生きる罪
頬を伝う雫を乱雑に拭うと、少年は里へ帰還した。
+++++あとがき++++++++++
NOCP。バレ前のスレナル。いや、擦れてれば誰でもOKかも。
一人で世界を知らない、仲間を知らないナルト。
イメージ的にアカデミー時代。
・・・・・て、これが2008年初更新!?暗ッッッ!!!08/01/07 夜烏白羽